不動産売買の”甘くない部分”と”甘くなる瞬間”

社長のドーナツ差し入れから学ぶ、不動産売買の“甘くない部分”と“甘くなる瞬間”

　

先日の休憩時間、社長がふらりと「差し入れ〜」と紙袋をぶら下げて帰社されました。中身は、会社近くで人気のドーナツ屋さんの看板ドーナツ。私も先輩事務員さんも「これ食べたかったんです！」とテンションが上がり、午後の仕事に向けてしばしの糖分チャージをすることに。
　紙袋を開けただけで甘い香りがふわり。社長は「たまには甘いもん食べて気合い入れなあかんで〜」と笑っていました。コーヒーと一緒にいただいて、気づけば事務所の片隅は小さなおやつ会場のように。先輩と「このクリーム何入ってるんですかね？」「社長、これ絶対選ぶやつですね」なんて他愛もない会話で盛り上がり、ほんの10分ほどでしたが、こういう時間が仕事のエネルギー源なんだよなぁと実感しました。

　でも、そんな甘いドーナツを頬張りながらふと思ったのです。
　“不動産売買のお話って、こんなふうに甘いだけでは終わらないよなぁ…” と。

　お客様の相談の裏側には、悩み、不安、迷い、比較、情報収集、さらには家族会議と、考えることが山ほどあります。
　だけど、正しいステップと知識を押さえれば、不動産売買はもっとスムーズで、もっと「安心できる選択」ができるようになる。
　今日は、ドーナツ休憩でほぐれた頭のまま、あらためて “売買で後悔しないための視点” をまとめてみたいと思います。

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■ 1．「何を基準に考える？」で9割が決まる

不動産売買の相談を受けていて一番感じるのは、
“ゴールが曖昧なまま走り出してしまう方が多い” ということ。

たとえば…
 • 広い家に住みたい。でもどれくらいの広さ？
 • 駅近が良い。でも徒歩何分までなら許容？
 • 売却したい。でもいつまでに売りたい？
 • 価格は気になる。でも予算の「MAX」は決めてる？

こういう部分が曖昧だと、資料を見ても現地を見ても「決め手がない」という状態になってしまいます。

反対に、最初にゴールや条件の優先順位をハッキリさせた方は驚くほどスムーズに進むんです。

休憩中に食べたドーナツに例えるなら、
「甘いのが食べたいのか」「軽いのがいいのか」「がっつり系がいいのか」
これを決めてから買いに行く方が、満足度が高いのと同じ。

不動産は“選択基準の明確化”が命です。

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■ 2．“完璧な物件”を探すより、“納得できる物件”に出会う

不動産はドーナツのように毎日焼き上がるわけではありません。
一期一会の出会い。
だからこそ、いざ内覧すると、ついついチェックが厳しくなりがちです。
 • コンセントがもう一つ欲しい
 • 玄関収納が少ない
 • 部屋の形がちょっと…
 • 日当たりは文句なしだけど、キッチンが惜しい

わかります。
その気持ち、痛いほどわかります。

ただ、経験上お伝えすると……

“100点満点の物件”はほぼ存在しません。
でも、
“80点だけど、暮らすと100点になる物件” には普通に出会えます。

たとえば…
 • カーテンや家具選びで部屋の印象がガラッと変わる
 • 収納は後から増やせる
 • キッチンの動線は慣れで改善される
 • 日当たりが良いだけで幸福度は上がる

つまり、
「後から変えられる部分」より「変えられない部分」を優先する
これが不動産売買の鉄則です。

変えられない部分とは…
 • 土地の形
 • 方位
 • 周辺環境
 • 駅距離
 • 小中学校区
 • 日当たり
 • 沿線の利便性

社長が選んだドーナツのクリームは変えられませんが、どの順番で食べるかは変えられる。
それと似ています。

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■ 3．“値段の見方”を間違えると後悔しやすい

よく相談で聞く一言があります。

「この物件、値下がりしますか？」

実はこれ、とてもむずかしい質問。
というのも、物件にはさまざまな要因が絡むからです。
 • 売主の事情
 • 周辺相場
 • 市場の動き
 • 時期（春は動きやすい／夏は落ち着くなど）
 • 物件の残り数
 • ローン金利

ただ一つ言えるのは……

“値下がりを待って逃した後悔”は本当に多い ということ。

もちろん無理して買う必要はありません。
でも、その物件がご自身の条件に合っていて、通勤も生活動線も家族構成もピタッとハマるなら、
「値段がもう少し下がらないかな…」より
「この家で暮らしたいと思えたかどうか」
が重要です。

ドーナツも、迷っているうちに売り切れていくものですから……（これは実体験です！）

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■ 4．情報が多い時代だから“プロの意見”は逆に必要

ネットには物件情報が溢れています。
それ自体は良いことなのですが、
「情報が多い＝判断が難しい」
という状態にもなりやすい。

実際、
 • ネットの情報と現地の実情が違う
 • 写真と実際の間取りのイメージが違う
 • 掲載されていない重要情報がある
 • 周辺環境の“生の情報”は現地でしかわからない

こういうケースは本当に多いです。

だからこそ、
“ネット × プロの目” の組み合わせが最強。

私たち不動産会社は地域で生きているので、
・このエリアはこう変わった
・あそこの道路、来年拡張される
・ここの小学校は評判がこう
・最近この辺りの売買が動いている
など、リアルタイムの細かな情報を持っています。

社長が人気ドーナツ屋さんの新商品をいち早く知っているのと同じで、
“地域のことは地域のプロがいちばん詳しい” のです。

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■ 5．売却は「早く売る」と「高く売る」のバランスゲーム

売主さんからの相談では、
「早く売れるのと、高く売れるの、どっちがいいの？」
という質問をよくいただきます。

答えは……

「生活事情による」 です。

・買い替えで次の住宅ローンが始まる
・転勤の期限が迫っている
・相続後の管理が大変
・固定資産税が気になる

こういう事情があれば、
“早く売る”が優先。

反対に、
・時間はかかってもなるべく高値希望
・相場を見ながらじっくり売りたい
・まだ住んでいるので急いでない
という場合は、
“価格重視”の戦略 が向きます。

売却はドーナツの“賞味期限”とは違い、
「状態 × 手入れ × タイミング × 相場」
この組み合わせが結果を大きく左右します。

だからこそ、
最初の査定や戦略設計がとても大事なんです。

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■ 6．最後に：家選びは“甘いだけじゃない”けれど、正しく進めれば必ず報われる

不動産売買は大きな買い物です。
悩むのも不安になるのも当然。

でも、
正しい知識と、信頼できる担当者、良い情報
この3つが揃えば、売買は驚くほどスムーズになります。

そして何より……

“家を買う・売る” という経験は、人生の中でも特別な甘い瞬間。

休憩で食べたドーナツの甘さみたいに、
“あの時決断して良かったな”
と後からじんわり実感が湧くものです。

もし今、物件探しを始めたばかりの方、
売却を考えようかなと迷っている方がいれば、
どうか気軽に相談してください。